全国的に周知されてきた「○○ちゃ!」など、砺波市内でよく使われる方言をご紹介します!
~が
終助詞の「の」、準体助詞の「の」と同義。
例:「どうしたが?」(どうしたの?)
「この赤いがが欲しいがやけど、ないがやぜ」(この赤いのが欲しいんだけど、ないんだよ)
「そんながなら、こ、どうけ?」(そうなのなら、これはどう?)
「そんながなが!」(そうなの!)
~がや
「~のだ」と同義。名古屋弁の「がや」とは用法が違う点に注意。
終助詞と付きやすく、その場合は「ヤ」が「イ」に音便化しやすい。
例:「そんながや」(そうなんだ)
「そんながいちゃ!」(そうなんだよ!)
「そんながいねー」(そうなんだよー)
「そんながいぜ」(そうなんだよ)
「そんながやったっけ?」(そうだったっけ?)
「そんながやろ?」(そうなんだろう?)
「そんながやれど」・「そんながいけど」(そうなんだけど)
~け?
「~かい?」と同義である。疑問と念押しの終助詞。「~か?」より柔らかで親しみのある表現。
名古屋弁でいう「~かね?」と同等のニュアンス。質問の最後に付ける。
例:「これ、知っとっけ?」(これ、知ってるかい?) – 「知らんちゃー」(知らないよ)
「なーん、あんた知らんがけ?」(なんだ、君、知らないのかい?)
「課長さん、おってやけ?」(課長さんはいらっしゃるかい?)
~ぜ
「~ちゃ」とほぼ同義だが、「~ちゃ」は自己完結しているのに対し、「~ぜ」は相手に同意を促すように使うのが特徴。
「~ぞ」の柔らかい用法。関東方言では男性語だが、女性も普通に使う。
例:「何もしとらんがいぜ」(何もしてないんだよ)
~ちゃ(念押し、感嘆)
念押しと感嘆の終助詞の「よ」と同義。
「なんだ『よ』」については新方言として「ながです」も広まっている。
下記の「~ちゃ」とは違う。
例:「そやちゃ」(そうだよ)
「そんながいちゃ」(そうなんだよ)
「いいちゃ! いいちゃ!」(いいよ! いいよ!)
「くるこっちゃ」(来ることだよ・来るといいよ)
~ちゃ(助詞)
こちらの「~ちゃ」は、文の一部を強調するとりたて助詞の「は」と同義。
例:「こっちゃなんなが?」(これはなんなの?)
「○○○君ちゃどこの人け?」(○○○君はどこの出身なの?)
~ま
終助詞の「よ」と同義である。命令口調を強めるために使われる。
禁止を促す時は否定の助詞である「ん」と繋がって「なま」になる。
「そっとこおらんと、こ、こられま!」(そんなところにいないで、こっちにおいでよ!)
「そんなことしられんなま」(そんなことしなさんなよ)
~られ
「~しなさい」「~してくださいよ」の意。
比較的、自分に近い人(知り合いの同等及び目下の人)に対して使う。
例:「みんな、家でしっかり勉強しられ」(みんな、家でしっかり勉強しなさい)
「砺波にこられ」(砺波に来てください)
~(ん)まいけ
「~しようか」「~しないかい」と同義。相手に勧誘を促す表現。
東海東山方言などにも似た用法があり、遠州弁や三河弁でも「ケーキ食べまいか」(ケーキを食べないか)と言う。
「~んまいけ」は県東部で使われ、砺波などの県西部では「~まいけ」が使われる。
否定の勧誘は「~んとこまいけ」と言う(呉西)。
また、県西部には否定のみの推量を表す「~んまい」(~でないだろう)がある。
例:「いかんまいけ」・「いこまいけ」・「いってこまいけ」(一緒に行こうか)
「いかんとかんまいけ」・「いかんとこまいけ」(行かないでおこうか)
だやい
「だるい」の意。面倒臭く、これ以上は何もしたくない心情を嫌悪感を持って表現する言葉。
非常に複雑なニュアンスで用いられる。「だっやー」、「だぃえー」とも言う。
例:「もう、だやてかなわんわ」(もう、だるくてどうしようもないよ)
だら
「馬鹿」と同義。「足らず」の転訛と言われるが真偽は不明。
「バカ」の「バ」と同様に、「ダ」を吐き捨てるように発音する。
さらに「馬鹿野郎」という意味の「だらぶち」や「だらぶつ」という語もある。
「あほ」などに比べ、全国的に知名度が低いことを悪用して、小学校や中学校では、他県からの転入生に「だら」を間違った意味で教えてからかうことがある。「馬鹿」などと比べて、ニュアンス的にはやや弱く、仲間の中での冗談などでも使われる。「あほ だら まぬけ」と続けて言うこともある。
対義語は「かたい」(賢い)。
なお、山陰地方の因州弁・但馬弁・雲伯方言では、類似した「だらず」が同義になる。
例:「おまん、だらないがけ」(あんた、馬鹿じゃないの)
なーん
元々は否定の「いいえ」の意味だが、会話によっては相づちにも感嘆詞にもなる便利な言葉。
「何にも」が転訛したもの。否定か肯定かは会話の流れや言動で判断しなくてはならない。
例:「なーんよ」(ちがうよ)
「なーん、知らんちゃ」(全く、知らない)
「なーん、つかえん」(ええ、大丈夫だよ)